長崎へ原爆犠牲者慰霊と平和祈念を目的として訪れたのは初めてだった。特に,印象に残ったことは2つある。一つ目は平和祈念式典における長崎市長の長崎平和宣言である。「最も怖いのは無関心なこと,そして忘れていくことです。」「『被爆者がいる時代』の終わりが近づいています。」同じことを二度と起こさないためにも我々若者が惨状を知り,伝え続けていくことの必要性を改めて認識した言葉だった。被爆者,さらには式典の遺族席に座る方までもが高齢化しており,いつか被爆者がいなくなったとき,語り継ぐバトンを受け取るためにもまずは関心を持ち続けることが必要であると感じた。二つ目はピースウォークや原爆資料館で目にした数々の原爆遺構である。水飴のように曲がりくねった鉄骨,バラバラに崩れたレンガ壁など,熱線と爆風の凄まじい威力を物語っており,人間などひとたまりもないことがよくわかる。資料館にはいろいろな国の方が訪れていて,世界中から注目されていることを実感した。 原爆投下から72年が経過した今でも世界中で核兵器開発が止まらないが,現時点で長崎が最後の被爆地であることも事実である。新たな被爆地をつくらないよう,今後も関心を持ち続け,惨状を伝えていきたい。 青年女性委員会 遠藤 登志夫委員長